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持続していくための餌開発

  • 投稿カテゴリー:陸上養殖

先日、全養殖池の干し上げ作業を完了し、今シーズンの実証養殖を終了することができました。今回は、過去の育成データから種苗の池への投入を例年より約1か月前倒し。成長しやすい水温期間が長く取れたことから当然年末の出荷サイズは過去イチとなったのですが、早めに育成スタートすると、その分、電気代・餌代・労務費などなどのコストがアップしてしまうため、経営効率が高かったか?は、引き続き検証が必要です。

昨今の異常気象や円安に伴う物価高騰など、環境変化が著しい現代であることを踏まえると、今後益々、種苗を投入するタイミングを決めるのが(種苗生産できる事業者が減っている点も併せ)難しくなっていきそうですが、市況や蓄積している育成データを比較しながら最もバランスのよい種苗投入時期を模索し、感覚ではないエビデンスを添えて同業者の皆さんに情報公開できるようになれるとイイなぁ、と思いながら、もう少しデータ分析してみたいと思っています。

また、今シーズンは原料高騰が進む中で餌屋さんから協力要請があった実フィールドでの餌の比較試験を実施していたので、その結果を少しご紹介します。飼育環境をイコールコンディションにした2つの池で価格が異なる2種類の餌をシーズンを通して与え、成長を比較。結果は、新たに開発された餌の方が平均体重は大きかった、という結果でした。ちなみに、新しい餌の方が安価であるため、栄養成分的には成長が劣るハズなのですが… 影響はないという結果。エンジニア的には合点がいきません。Why?

さておき。
経営する上でキニナル点は、水揚げ総重量ですが、成長を左右する給餌量や換水率などを同じになるようにコントロールして育成しても車海老の場合、種苗を投入したあとの歩留を正確に把握していく手段がないため、何が要因で水揚げ総重量が多かったのか?少なかったのか?ということを詰めきることができない現状です。密度が高ければ成長は望めず、逆に低ければ大きくなるということが知られていることからも追い込むことが難しい…( 一一)

ただ、今回の実証養殖の結果を踏まえた時には、新しい餌に切り替えても著しく成長≒経営に影響を与えることは無さそうだ、という判断をすることはできます。ということで!私たちは次シーズン、すべての餌を安価なタイプに切り替えて、改めて、経済性の検証を繰り返してみる!ということにします。

やってみないと分からない!