車海老の養殖池では底質をエアレーションするために水車を稼働させています。水面で酸素を吸収した海水を池底に送り込むことで微生物の活性を促し、有機物を効率よく分解させて車海老にとって快適な生息環境を維持することが目的です。
ただ、この水車、養殖シーズン中は、栄養豊富な養殖池の海水を毎日被りながら稼働しているため、それなりに故障も頻発。特に今シーズンは、例年以上に藻が増殖して、ご覧の有様に…(-_-;)
それにしても、こうなる?Σ(・ω・ノ)ノ!ということで少し考察してみました。原因として考えられるのは大きく2つかなと考えていて、1つは赤潮プランクトンとの関係。ただ、これは考察が難しいので、もう1つの可能性である鉄分との関係について少し触れてみたいと思います。
鉄分は、落ち葉などが土中で鉄イオンに還元され、雨水によって山から海に供給される訳ですが、私たちの養殖場沿岸には河川が多く、かつ、湾になっています。加えて、養殖場を取り囲む林野の雨水がタップリと取水ポンプ近傍に注がれる環境にあり、他所より鉄分の影響を受けているのかな?と推察しています。
ただ、これは1つの仮説でしかないので、今後、養殖池の水質分析粒度を高めるなどして科学的な結果が得られたらと思っています。もちろん!生物にとって鉄分はとても重要な栄養素であり、鉄分豊富な海は海藻や魚の多い豊かな海だと言われていますので環境的には悪い話ではありません。
とは言っても、水車の羽までビッシリと藻が付着してしまうと、これが回転抵抗となり、故障原因になるのも問題なのですが、それよりも電力使用量アップの方が経営にはジャブのように効いてきます。私たちがセレクトしている水車は、電力vsエアレーション量のバランスを考えて省電力タイプになってはいますが、それでも約20台が稼働しているため、生産コストに占める電気代は、まったく無視できない項目です。
そこで!もうシーズン終盤ではありますが、遅ればせながら新兵器:エンジン式高圧洗浄機を導入して洗浄してみることに。結果、電動タイプの高圧洗浄機とは比べものにならないパワーで、ビッシリこびり付いた藻もアッ!という間にスッキリ♬
ちなみに、この方法は牛深で養殖筏の網を洗っている光景を見てまねしました( ̄▽ ̄;)
そして気持ちイイ感じ♬で藻が除去できたら、その効果をデータでcheckしたくなるhavメンバ。洗浄後、さっそく水車の消費電力推移を確認してみると…(p_-)
ナント、洗浄後に消費電流30%低減!つまり、電気代も3割低減できたという格好です。Orz
投じる人件費とのバランスですが、今回はもっと早く実行すべきだった…というネタでした。
(ウチがズボラなだけかと思いますが、同業者の皆さま、見過ごされませぬよう)