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漁場を面で捉える

  • 投稿カテゴリー:海面養殖

これまで何度かご紹介している環境モニタは、水温・溶存酸素(DO)・クロロフィルa・降雨センサを備え、漁場の近傍環境を常時センシングしています。現在は、牛深で4基が稼働中。昨年、この4基から連続して得られたデータの観測を続けた結果、相応に赤潮の発生傾向をキャッチすることができたため、今年度6基を増産。増産するにあたり、内部構造を見直して小型化も敢行しました!

海面に設置するにあたっては、当然、大型な重量物よりも小型軽量なものが望ましい訳ですが、短納期な開発に追われてしまうと納期遵守する方を優先しなければならないため、小型軽量化の部分が後回しになってしまうことがあります。これは“新たな仕組み”を創る時にはありがちな状況だったりもします(^^;) ただ、頻繁に現場に足を運んでいると、絶対に改善しなきゃ!という強い動機≒意欲が沸き上がることも常デス。

増産した6基は、熊本県海水養殖漁業協同組合、熊本県農林水産部水産振興課および熊本県水産研究センターの皆さんとお話しして、龍ヶ岳に4基、楠浦に2基の配分で設置することを決め、先日から鋭意、設置作業を進めています!

元々、私たちが、この環境モニタを開発&実装を始めた目的(将来像)は、各養殖環境に応じた、最適な給餌効率が得られるレシピを養殖事業者の皆さんと一緒に開発していくことだったのですが、ここ3年、甚大な被害を及ぼしている赤潮の発生傾向を感知できないか?と相談があり、これを研究開発テーマに加えた結果、単純に開発(データマイニング)要素が倍増している実態にあります…(;’’∀’’)

ただ、効率の良い給餌レシピの開発も、赤潮感知するための開発も、水産養殖業を持続させていく上では喫緊の課題!いずれも一足飛びに解決できる課題ではありませんが、関係する皆さんとの連携&協力関係を1レベルアップさせて、地道&着実に実態を掴んでいくことから始めようと思っています。

ちなみに、今回、初期計画では挙がっていなかった楠浦湾にも設置することになった背景は、今春から楠浦湾で熊本県水産研究センターの皆さんが新たに赤潮対策の可能性について研究開発をスタートされる、と伺ったためです。そちらの活動については、またスタートされたらご紹介できると思いますが、重要テーマとして加わった赤潮発生傾向のキャッチ、まずは3つの地域で一丸となれるように観測データを共有する環境を構築し、相乗効果を発揮していく活動基盤を創りたいと思います!

ということで!今春から3つの漁場に合計10基の環境モニタを配し、養殖海域を“面”で捉えられる環境が整います。

環境モニタ 設置地点

昨年、牛深に設置した環境モニタは、赤潮シーズンが終わった秋口からの稼働となったため、赤潮発生状況との紐づけはバックトレースで行ったのですが、今年はシーズン中、リアルタイムに観測&シェアすることができるため(赤潮は発生して欲しくないのですが)この違いから新たな気づきを得られるのではないか、とも期待しています。

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