私たちがサービスを提供しているReCotto-Aquaは、リリース版と同じシステムを2020年から牛深で稼働させ、この3年間のオペレーションでも大きな問題は生じていなかったのですが、去年夏、試用いただいた龍ヶ岳では上手く動作しない事態が発生しました。今回は、そのトラブルの改善事例について少しご紹介したいと思います。
トラブルは2つに大別されます。
①半導体が物理的な破壊に至る(そこそこの半導体キャリアを持っていますが、超レアな事象デス…)
②餌残量を正確に測量できない
①はPFX-300LとPFX-500Lの構造(ソーラーパネル位置)の違いに要因があると仮説を立て、電源対策を実施(リリース版では対策済)。対策版で約半年稼動しているので問題は解決できていると判断しています。ただ、その要因から給餌機の個体差に影響を受ける可能性があるため、簡便な+αの対策も用意。
②は餌量を測っている構造に原因があるのですが、この問題が発生する要因は餌の補給方法の違いにありました。牛深では餌袋から給餌機に補給するスタイル、一方、龍ヶ岳では船から餌を配管で搬送する補給するスタイル。この違いは餌の粉が舞う、舞わないとして現れます。これまでのセンシング構造では、この餌粉の影響をモロに受けてしまっていました。
そこで!こんな感じに改良!
約5mmの穴から半導体センサが露出している構造から、センサ部を完全に覆ったスケルトン構造へ。最初から、こうしておけば良かったんじゃ?と言う声も聞こえて来そうですが^^; 可能な限り安価に社会実装したいという私たちのスタンスから改良前の構造としています。
と、今回の2つのトラブルは、或る条件下でのみ生じ、またスケルトンケースにすると相応に価格アップするため、全システムを刷新する必要はないと考えていますが、今後、さらなる省力化対策として、各水産事業者さんが船から餌を補給するオペレーションに進化させていきたい、と言う声は聴いていますので、将来対策として担保しておこうと思っています。
と言っても…(;^_^A
まだ、この試作品はあがってきたばかりで、実戦配備に向けた試験は、これからデス。これから1カ月ほどフィールドテストして既存品と改良品で機能/性能に相違ないことを確認した後、改めて、トラブルが顕在化した環境条件下でも使える道具として進化しているか、吟味いただけたらなって思っています。