今回は、以前設置した学習PFについての近況報告です。現在、牛深の久玉漁場に設置している学習PFでは、魚の摂餌活性データを採りながらAIを学習させ、AIの精度検証を続けています。
ここで問題がひとつ…
悪天候が続くと、ソーラーパネルの発電量が減ってバッテリが上がり、学習PFの稼働がストップしてしまうこと。これは学習PFを使うシーンでは、リアルタイム性を重視した制御仕様を実装していることに起因しているのですが、実際に現場に据えて使ってみると… こりゃ改良を要すな、という感じです。(;^_^A
AIを育てるうえで大事なポイントはデータの量と質です。学習PFの停止時間が長くなってしまうと、十分なデータ量が採れないことはモチロンのこと、連続したデータも採ることができないため質の低下に繋がってしまいます。加えて、復旧するためのバッテリ交換作業が発生し、せっかく人の手間を省くために開発&設置した学習PFなのに、その意味も薄れてしまいます。
そこで!昨年末より学習PFの消費電流を抑え、少ない発電量でも長時間稼働できるよう改良に着手。
新人の西﨑がチャレンジしています!
電流削減対策は、一般的&地道な作業で、手はじめに学習PFで使用しているマイコンやカメラなど、機能ブロックごとの消費電流を算出し、消費状況を再確認。確認できたら、あとは消費電流の多いブロックから削減方法を考えていけば良いわけです。今回のシステムの場合、ReCottoとデータをやり取りする通信用基板が大きな電流を消費していたため、その辺りを中心に改良していきます。
削減方法として、真っ先に思いついたのは、私たちがAIに学習させない(私たちが寝ている)夜間は学習PFもスリープモードに入れてしまうこと。これだけでも消費電流は3割ほど削減でき、連続稼働時間を伸ばすことができます。最初から、そうしておけば?という声も聞こえてきそうですが、まぁまぁ色んな開発に追われていまして、開発当初は消費電流に対する作り込みのPriorityは低かった、としておきたいと思います(滝汗)
と、改良策を思いついたところまでは良かったのですが、いざ実装するとなると、中々険しい道のりでした…
決められた時間にスリープモードに入れる制御はすぐに実装できたのですが、スリープモードからの復帰が上手くいかず、鋭意!原因解明中です。こんな試行錯誤を繰り返しながら1日も早いupdateに向け、電流削減に取り組んでいます。計算上は、連続稼働時間を倍増できるハズ!
この学習PFを安定稼働させることができれば、その分、学校となる漁場を増やすことができ、どんどん検証していけば、その分、AIの環境対応力はアップし、成長していきます♬そんな近い将来を思い浮かべながらAIとAI開発環境をビシビシ鍛え、少しでも早く、多く地域の養殖産業に寄与できればな、と思っています。