先月、スタートした今期の車海老養殖は、朝晩与える餌の量も増え、サイズ感も順調にアップ♬
一方で、ニュースでも報じられているように、今年も連日、赤潮が発生している状況で、魚類よりも耐性がある車海老とは知っていても、外海の海面を見ていると、赤潮プランクトンを汲み入れないためのセンシティブな取水コントロールを強いられています。お蔭で湧かせたい珪藻がナカナカ湧いてくれません(泣)
そんなナーバスな環境下にはありますが、今回は、陸上養殖を支えている設備の管理について少しお話ししたいと思います。これから育成~出荷が終わるまでの約半年間、車海老の養殖場では、水車や取水ポンプ等の設備を連日稼働させることになるのですが、年々、過酷さを増す自然環境の中で、長年、使用していると、それなりにトラブルも発生します。
養殖設備の中でも取水ポンプは養殖池の環境をシーズン中、維持し続けるための要であり、これが故障してしまうと一大事!です。特に夏場は水温上昇を防ぐための換水が欠かせませんが、ポンプ本体や配管は、日頃、現認することが難しい場所に設置されていることが多いため、トラブルが生じた時にタイムリに状況をキャッチすることも、また難しかったりします。
そんな中、先日、トラブルが発生。私たちの養殖環境では、各設備を「ReCotto」でIoT化して稼働状況を常時ウォッチできる環境にしてあるのですが、ある日、突如、取水ポンプの動作電流が跳ね上がったため、現場に駆けつけてみると…(@_@)
配管が抜け掛け、せっかく汲みあげたフレッシュな海水がほとんど元の海へリターン…( ;∀;)
これはイカン!とポンプを止めようとしたその瞬間…
完全に脱落。Orz
ただ、抜け掛けた段階で気が付き、すぐに現場に駆けつけて復旧させたので大事に至ることはありませんでした。これが、もし、気付けなかった場合には、①取水できない+②ムダな電気代を払う+③設備の破壊度が増し修理代が膨らむ、といった3重苦の事態が待っていた可能性は否定できません。
下図は、今回、私たちに異常を知らせてくれた「ReCotto」の電流観測データになります。
⓪ポンプON → ①配管抜け掛け → ②完全に脱落 → ③復旧
といった状況が手に取るように分かる情報になっています。
取水ポンプの場合、今回のケース以外にも吸い込み口に石や異物が挟まった時には同じように電流が跳ね上がり、水車の場合には、羽に藻が付着していくと、それに伴って電流が増えてしまう事例も以前ご紹介している通りです。
と、こういった設備を健全に維持していくためのメンテナンスは、養殖に限らず、さまざまな生産現場で日々行われており、どの現場でもトラブルシュートに追われている現状があるかと思いますが、はじめは小さなトラブルでも気が付かずに時間を経過させてしまうと大きな故障に繋がったり、経営的にも大きな負担となってしまいます。
設備を「見える化」しておくと、そんなリカバリ作業負担や経営損失から免れます、という事例紹介でしたが、手前味噌ではありますが、ReCottoサマサマです!(^◇^)b