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養殖環境の維持と自動運転

  • 投稿カテゴリー:陸上養殖

連日の猛暑でレガシーな養殖池の水温は連日31℃超え。車海老には相当な負担が掛かっておりヒヤヒヤものですが3ヶ月目も順調に成長しています♬ただ、これだけ高水温になると藻類のコントロールは途端に難しくなり…、特に私たちが養殖している環境は24h外海からの取水ができない点で難しさに拍車が掛かっています。(~_~;)

コントロールが上手くいかず増殖させてしまうと、息絶えた藻類が浮いたり、沈んだり。私たちが養殖している環境では熊本の伝統的な養殖場とは異なり、電力vsエアレーション量のバランスが良いと考えセレクトした水車を稼働させているため、特に日中は攪拌された気泡に多くの有機物が付着し、浮上してきます。

この有機物を回収するため、水面近くにはオーバーフロー排水口が設けられているのですが、特に台風6号通過後、外海が富栄養になり、かつ、日中の倒れそうなほどの日照によって池内で大増殖する藻類、有機物を効率よく回収するため、先日、お手製の塩ビ管「プロテイントラップ」を製作し、実践配備しました!

その後、水車の向きも少し補正。回収は上手くいっており、回収した有機物を吐出する海側には、餌を求める小魚がたくさん群れ、その後ろには小魚を狙っている大きな魚影も見られます…(;・∀・)

餌を求め群れるお魚さん達

この「プロテイントラップ」を活用した水面環境維持には、いろいろな面で負担の少ないオペレーション≒省力化が必要ですが、私たちが養殖している環境は、水温やDOのセンシングだけでなく、施設内に設置された全てのポンプや水車をリモート操作できるように作り込んであり、例えば400m離れた場所のブレーカーを軽トラに乗ってON/OFFしに行くような行為は発生しません。操作は全てスマホやパソコンから。

もちろん、LTE網を使ってシステムを組んでいますので、出張先や旅行先からも養殖設備をコントロールすることができます。結果、多様なシステム開発の傍ら車海老の生産活動にも従事しているメンバのQOL(生活の質)も年々上昇中♬

車海老養殖場の環境センシング&設備リモートコントロール画面

あとは、日々の給餌を自動化すれば、収穫の喜びが残るだけなのですが、いかんせん夜行性の車海老さん達のお食事は1回/日と健康的…。投資対効果をバランスさせるのが難しく、悩みはじめて4年目に突入している2023年、まだまだ暑い初秋(汗)