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【結果】クロロフィルaセンサ 信頼性評価

  • 投稿カテゴリー:海面養殖

先月着手した環境モニタに搭載しているクロロフィルa(Chla)センサのコリレーション評価状況をご紹介したいと思います。今回、Chlaセンサの良し悪しは「天草水質テレメータ」観測値との相関をみることによって判断しています。

一見、天草水質テレメータが示す値に対し、環境モニタが示す値は外れているように見えます…(;・∀・)

が、Chla値が高くなる時間帯や上昇/下降の推移に着目してみると同じ特性を持っていることが分かります。実際に植物プランクトンの日周鉛直移動による定期的なChla値の上昇/下降を観測できていて環境モニタの方がセンシティブな感じです。

今回、私たちがシステムを創るうえで捉えたいのは絶対値ではなく傾向であるため、そのセンシング機能としての目的は何とか果たせそうな結果になり安堵♬ただ、環境モニタ②は感度が鈍いため、この原因&要因については追解析の必要があります。

さて。
なんで、こんな評価をしているか?ですが、センサはChlaセンサに限らず、一般的には高精度なものが高価で、高価なセンサの一般的な運用は、例えば、観測するたびにセンシング環境をセットアップして…といった感じになってしまいます。高価なセンサは三ケタ万円ほどします。

また、人手による観測作業では連続データを収集することは不可能で、かつ、観測して得られるデータ量も作業する時間によって律速されてしまうため、何某か対策を講じなければ≒十分なデータ量を得られなければ、センシング対象の傾向は掴みづらい、もしくは掴めないままということになります。さらにセンサが高価だと同じ投資額でも現場に実装できるChlaセンサの数は少なく、漁場を面で捉えるなぁーんてことは不可能ということに。

私たちがChlaセンサの性能だけに頼らずシステムを構想している理由は、ReCotto-Aquaのコンセプトと一緒でシステムを安価に創ることによって漁場に実装できるセンサの数を増やしたいから。増やすことによって、これまで点でしか捉えられなかった漁場を、面で捉えられる。それが最低限必要な条件だ、と考えているためです。より広範囲を、粒度を高めて観測することができれば、新たな発見、傾向が掴めるのではないか、と。
【KSF】安価にすることで社会実装できるかもしれない可能性を高める‼

今回の観測対象であるプランクトンは、その性質上、ある瞬間のデータだけを見て異変を感知することは難しいですが、連続したデータを採取し、マイニングすることでプランクトンが増殖する特徴をキャッチできる可能性は潜在しているのではないか?と、おぼろげにイメージしています。赤潮の増殖や移動をキャッチできるか?については、今は何とも言えませんが、環境モニタの観測値と魚の活性や海の状態の照合を続け、何とか特徴をキャッチできれば!と思っています。先は長そうですが…(汗)