お盆が明け、楠浦湾の赤潮も注意報基準値を下回ってきている状況ですが、熊本県水産研究センター、熊本県立大学と協同をスタートさせているR&Dの概要について、少しご紹介したいと思います。
私たちが実証養殖している車海老の養殖池は、業界では”珪藻”が増殖する環境であることが知られています。かつ、養殖期間中は外海よりも高い密度で珪藻を維持させていきます。ただ、ここ数年は環境変化が影響してか?!珪藻を増殖&維持させることは難しく、私たちが養殖している楠浦では”藍藻”が増殖している感じです。珪藻が増殖している時は”ブラウンウォーター”と称されるように少し紫っぽい茶色の池ですが、藍藻が増殖している環境では、ご覧のように緑色になります。
とは言え、”珪藻”も”藍藻”も赤潮原因プランクトンの競合種であったりしますので、車海老の養殖池で増殖された植物プランクトンを競合種である赤潮が支配している海域に、一定以上の濃度&ボリュームで添加した時に赤潮原因プランクトンに如何に影響を及ぼすか、作用するか?まずは、そんなResearchからスタートしています。
ウン十年前に同じような研究がされており、その時の結論は「効果がない」でした。が、当時と現代では同定するPCR技術などが大きく進化していますので、過去は見いだせなかった新たな気づきが得られる可能性はゼロではない、と考え、Research活動に協力させてもらっています!
今シーズンは、例年より水温が高く、栄養塩も乏しかったため、珪藻を増殖させることが難しかったのですが、第1回目のResearch活動を8/6に開始しました!まずは、1日目に珪藻類を放出する前の楠浦湾の水質調査から。具体的には養殖池から対岸に向かって6地点(一番遠い地点は約5km先)、0m/5m/10mの深度でサンプリングしていきます。
2日目は、珪藻および藍藻リッチな養殖池の海水を下げ潮に乗せて、約1,000トン放出!!
3日目に再び1日目と同じポイントを観測していきました。サンプリングした海水サンプルは、現在、熊本県立大学+熊本県水産研究センターで調査が進められています。大自然を相手にしたスケールがデッカイ試みではありますが、私たちとしても結果が楽しみです♬
to be continued.